美容業界の危険な罠(目にアロンアルファ??いったい何故)
2010年03月07日(日)
美容師はプロである以上、ほぼ毎日なにがしかの訓練を怠りません。
僕は日課として手首の運動と指の運動をしています。
先日チェルトで事件が起こりました。そろそろレッスン終了になる午後10時半
2階事務所から降りてきたその時、
『キャップ山が大変です・・・』の大きな叫び声
見ると山崎が顔に手を当てて明らかに異常な様子、
『どうした?何があった??』
『目に接着剤が・・・』
チーフを初め皆集まり顔面蒼白<`?´>
『目を開けてみろ』と私・・・
『痛くて開きません・・・というか開けられません』と山崎・・・
当然です、ネイル用の強力な接着剤が目を直撃したんです。
色んなことが(しかも悪い)頭を過ぎりました。
『こっちに来い』
と山を洗面台に連れて行き目を洗わせました。でも開きません。
私は山の背後から手をまわし、まぶたの上から無理やり一気に山の目を開きました。
一瞬時間が止まりました。
そしてめりめりとした感触と共に山のまぶたが開いたのです。
『自分で開けられるか?』
『開きますが、痛くて開けていられません』
夜11時近く医者はどこも閉まっています。このまま失明でもしたら・・・
よし救急車を呼ぼう・・・そう決心した私は119に電話をし、
同時に関根チーフにインターネットでこの状況で考えられる結果を調べるように指示しました。
救急車の到着を待つ間、ネットで検索した結果は非情でした。
角膜をはがす手術・・・激痛を伴う・・・悪いことだらけです。
約10分後、救急車到着・・・手続きをしながら、御両親の顔が浮かびます m(__)m
近くの病院には、次々断られていきます。救急隊員も始めてのケースらしく、
頼りなく進めてる感じがします。募る不安・・・
そしてようやく受け入れ病院が見つかりました。
埼玉医大救急センターです。
たとえ東京でも北海道でも行くしかないと思っていた私は
『そこでお願いします』と言いました
『わかりました』と救急隊員・・・しばらく医療センターとの交信が続きます・・・
そしてここで救急隊員の口から出た意外な言葉・・・
『病院には、御自分で行ってください、救急では見ませんとのことです』
『それはどういうことですか?』と私
『眼科の先生が、急を要することではないと言ってます』と救急隊員
『本当にこんな状態で大丈夫なんですか?(-_-)/~~~ピシー!ピシー!』
『私どもではこれ以上どう仕様もありません』・・・と、言いつつも心配な顔
『じゃあ私が連れていきますから連絡だけはしていただけますか?』
(救急隊員)『わかりました』・・・
こんな具合で結局私が、もう一人のスタッフと3人で
救急医療センターへ行ってきました。
ここで結論を申し上げますと、
人間の角膜は3層になっていて一番上の層は、肌の表皮と同じように
古くなると垢のように落ちていき下から新しく生まれ変わるそうです。
これが3層目になると再生できなくて、失明の恐れもあるんですね。
今回のケースは角膜に傷は付いておらず、痛みの主な原因は、
接着剤が固まる瞬間に出る熱・そして角膜に接着剤がついた
ことによる炎症での痛みという事でした。
『すぐに、はがしたければ取ってあげるよ。』
『でも相当痛いし、回復に時間かかるよ。』
『ぼくなら自然にはがれるのを待つけどね。どうする?』
すかさず山崎が『このままでいいです』
こんな感じで痛み止めの処置と、洗浄薬・回復薬を頂いて帰りました。
行きの車では、ボロボロ涙を流していた山崎でしたが、帰りの車では大はしゃぎ・・・
日時をまたいだ大変な1日でしたが、大事に至らなくてよかったです。
埼玉医大救急医療センターの眼科医の先生、お名前は忘れましたが、
本当に名医だと思いました。この場を借りて御礼申し上げます。